地球表面の気候状態を支配する要因の総称。気候システムを構成する要素は、地表の植生に代表される生物圏、雪氷圏、大気組成、雲量、エアロゾル(大気中に分散する粒子状物質)、大陸と海洋の配置、海洋循環などがある。近年、これらの要素の中で、エアロゾルは、太陽からやってくる光を遮る効果と、地表からの赤外線放射の吸収の両方の作用があり、温暖化要因と寒冷化要因を兼ね備えた要因として、発生から消滅に至る過程の研究が進んでいる。気候システムには正のフィードバックと負のフィードバックがあり、いったん気候が寒冷化すると氷床が発達し、それがさらなる気候の寒冷化をまねくような過程は正のフィードバックと呼ばれている。これは氷床‐アルベドフィードバックと呼ばれており、氷床が低緯度にまで拡大すると暴走的に寒冷化が進み、全球凍結状態に至るものと考えられている(→「全球凍結事件」)。