地質時代に生きていた動植物の遺骸や足跡などの痕跡が岩石中に残されたもの。生物の遺骸は、炭酸カルシウムやケイ酸などの鉱物で置き換わっていることが多い。地層中から産出する化石は、時代とともに変化しており、生物が進化してきたことを示している。ダーウィンの進化論では、生物は突然変異と自然淘汰によって徐々に進化してきたとされているが、化石にみられる形質には、ギャップがあり、中間的な形質を示すものがない。これはミッシング・リンクと呼ばれている。進化速度の大きな生物種の化石は、地層の時代を決める手がかりになる。世界的に広く分布し、個体数の多いものは示準化石と呼ばれている。一方、サンゴのように生息環境が限られる生物種の化石は、当時の環境を示すものであることから示相化石と呼ばれている。エディアカラ動物群化石、バージェス頁岩動物群、澄江動物群など、特定の時代にみられる多様で特異な群集が知られており、注目されている。魚類から両生類へと進化し、最初に陸上に進出したイクチオステガ、アカントステガ、恐竜から進化した原始的鳥類とされる始祖鳥化石など、生物の進化を探る貴重な化石が数多く発見されている。