原子力発電所の耐震設計において基準とする地震動。発電所周辺の活断層や震源断層、地質・地質構造などを基に、地震学・地震工学的な見地から推定した、発生する可能性がある最大の地震の揺れの強さのこと。発電所ごとに異なる。周辺の活断層や、過去の地震などから震源を特定して地震動を求める方法や、震源を特定しないで過去の伏在する震源断層から得られた波形記録を利用して地震動を推定する方法などが用いられている。東京電力福島第一原子力発電所の事故を教訓に、2013年7月にこれまでの基準を大幅に強化した新規制基準が施行された。新しい規制基準では地震対策がより厳しく見直されたことから、電力各社はこの基準地震動を決めるにあたり、周辺の活断層や地盤などについてより詳しいデータの提出が求められている。一般的には従来よりも、基準地震動は大きく見直される傾向にあり、これに対応して原子炉建屋など重要な施設の配管が揺れに耐えられるよう補強工事が進められている。