2015年4月25日11時56分(現地時間)、ネパール中央部で発生したモーメントマグニチュード(Mw) 7.8の地震。ヒマラヤ山脈はインドプレートとユーラシアプレートの衝突によって形成された山脈で、山麓には大規模な逆断層が分布し、有史時代にも巨大地震を発生させてきた。この地震は、ネパール中央部に位置する巨大低角逆断層が活動して発生した。震源はゴルカ地方で、深さは15キロ、震源断層面上のずれは4~2 メートル。震源域はゴルカから東方にネパール最大の都市であるカトマンズを含む東西160キロメートルに及ぶ領域に広がった。震源断層はカトマンズ盆地の地下に広がっており、極めて低角度である。カトマンズ盆地は、8000年前まで湖で、軟弱な地層がたまっている。この地層が地盤の揺れを増幅し、また脆弱な構造の建物群とあいまって大きな被害となった。死者数は8000人を超えると推定される。とりわけ多数の世界遺産の建築物が深刻な被害を受けた。震源となったプレート境界断層は、インド側の低地との間に活断層として現れているが、今回の地震では断層のより深部が活動し、地表に地震断層は現れていない。