一般には大地震が起きた後、より小さな地震が続発するが、この大きな地震を「本震」といい、後続する地震を「余震」という。余震の発生する場所は、本震の震源域とほぼ一致する。また、本震の発生前に小規模な地震が起きることがあり、それらを「前震」という。2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の本震の51時間前にマグニチュード(M)7.3の大規模な地震が発生したが、M9の本震の発生によって前震であったことがわかった。また、16年の熊本地震の際にも、M6.5の地震の28時間後にM7.3の本震が発生した。大地震発生後にそれより小さい地震が発生することを前提とした余震発生予測は、とくに熊本地震を契機として適応できないことが明らかになった。このため政府の地震調査委員会の報告にもとづいて、気象庁は余震に対して本震と同程度の地震発生への注意を呼びかけるとともに、近くに活断層が分布する場合には、その活動の可能性についても注意を呼びかけるものとした。