2016年4月14日21時26分に発生したマグニチュード(M)6.5の地震。震源の深さは11キロで、熊本県益城町では震度7を観測した。この地震は活断層 として記載されていた日奈久断層北端部にほぼ相当する。28時間後の16日午前1時25分深夜には14日の震央の約5 キロ、深さ12キロを震源とするM7.3の地震が発生し、益城町と西原村で震度7を観測したほか、熊本平野南縁一帯で強い揺れを観測した。この地震によって、布田川断層の布田川区間と日奈久断層の北端部に、地表地震断層が現れた。益城町堂園付近では最大2.2 メートルの右横ずれ変位が生じ、地表地震断層の北東端は阿蘇山のカルデラ内にも及んだ。この地震は、北北西-南南東方向に伸張軸をもつ右横ずれ断層で、長さ約35キロで北西方向に傾斜した形状を示している。この地震に誘発されて約34秒後に大分県中部でもM5.7の地震が発生した。この地震に伴って、関連死も含め160人を超える犠牲者が出ている。全壊家屋約8300棟、半壊約3万2000棟に及び、被害総額は最大4.6兆円と推計されている(2016年12月発表)。後日、前震と判断された地震の後で、さらに大きな地震に襲われたことで、気象庁による余震発生予測情報の出し方が変更される契機となった。家屋の倒壊による死者が多く、建物の耐震化が課題として浮き彫りにされた。