中心気圧が24時間に24hPa(ヘクトパスカル)以上の下降という急激な発達をして、甚大な被害をもたらす温帯低気圧。暴風や高波、ときには太平洋側の地域に大雪をもたらすこともある。暴風の吹く範囲は台風よりもはるかに広く、陸上だけでなく船舶の受ける被害も大きい。基本的には温度差が発達のエネルギーで前線を持つ温帯低気圧だが、台風と同じように水蒸気の凝結によって放出される熱もエネルギー源になっており、低気圧のハイブリッド仕様といえる。気象衛星の雲写真によると中心に眼が見えることもある。大量の水蒸気が供給されるもととなる暖流(黒潮)が流れる日本付近のほか、アメリカ東岸沖の湾流に沿った大西洋に多い。なお同じハイブリッド型のものに亜熱帯低気圧(subtropical cyclone)がある。上層の寒冷低気圧が温かい海面上で発達したもので、前線を持たず、ときには熱帯低気圧になることもある。