梅雨は、6月上旬から7月中旬にかけて、中国から日本にかけての東アジア各地に現れる雨期のことで、中国ではMeiyu、韓国ではChangmaと呼んでいる。モンスーンは季節風と訳され、気候学的には、季節に伴い風向きが変化することをいうが、季節に伴い雨期が存在することから、雨期をさす場合もある。海と陸の熱的性質の差によって駆動されていると考えられるが、大規模な現象であるので、地球の回転の影響を受ける。また、積雲活動に伴い発生する凝結熱による大気の加熱も影響する。インドモンスーンが有名であるが、そのほかにも、梅雨などを含む東アジアモンスーン、冬季のオーストラリアモンスーン、北アメリカや南アメリカのモンスーンなど世界中の海陸のコントラストにより引き起こされる気象現象に拡張して使われるようになっている。天気図的には、北ないし北東気流(オホーツク海高気圧)と南ないし南西気流(小笠原高気圧)が収束して東西に長く延びた梅雨前線ができる。雲列はアリューシャン列島から中国大陸を通りベンガル湾に達し、その停滞した前線上を低気圧が相次いで東進するたびに雨をもたらす。また、インドシナ半島からインドにかけては、焼畑や大気汚染など大量のエアロゾルが排出されている地域であり、エアロゾルとモンスーンの関係が興味をもたれている。最近の東京大学気候システム研究センターや気象研究所の研究によると、地球温暖化に伴い、梅雨前線の活動が活発になって雨量が増加し、梅雨明けが遅れるという結果が得られている。