大気中に存在する固体や液体の粒子状物質をいう。具体的には、地表面から巻き上げられる砂やちり、海面から飛び散る海水の飛まつ、焼畑農業などに伴う生物を燃焼させた時の煙、工場や車などから排出される硫酸化合物や窒素酸化物などである。これらの粒子状物質は、大気汚染に伴い健康被害をもたらすものとして注目されている。特に最近は、中国の砂漠化の進行と関連した黄砂現象(→「黄砂情報」)や、東南アジア・南アジアの焼畑や産業活動に伴うエアロゾルが問題になっている(ABC : Asian Brown Cloud)。一方、火山活動に伴い成層圏に排出される硫酸エアロゾルは、太陽放射を反射し、地表に到達する日射量を減らすため、地球の気候の寒冷化をもたらす(→「日傘効果」)。また、エアロゾルは、直接、太陽光を散乱したり吸収する直接効果と、凝結核として雲の大きさや粒径分布などに影響を及ぼす間接効果を通して地球温暖化に関して大きな影響を持つと考えられている。しかしながら、これらの効果を定量的に把握するのは依然として困難であり、今後の課題と考えられている。