大気中の微粒子は日射を散乱し、地表面に達する日射量を減らす(→「エアロゾル」)。微粒子が日傘の役割をするところから、日傘効果という。1991年6月に噴火したフィリピン・ピナトゥボ火山は、大量の亜硫酸ガスを成層圏に噴き上げ、硫酸塩の微粒子が地球を覆った。この噴火は、20世紀最大規模とみられ、世界各地で直達日射量の減少が観測された。日本では、92年2月に平年の18%減となった。世界平均地上気温は92年に最大約0.5℃低下した。一方、大気中の水蒸気や二酸化炭素などは、地表面からの赤外線を吸収し、さらに赤外線を再び放出して地球を温める。これが温室効果で、この効果がない場合の地球表面温度は-18℃とされ、実際の温度15℃から算出すると33℃の昇温となる。地球温暖化は人間活動が大気中の二酸化炭素やメタンなどを増加させ、温室効果を強めるために起こる。20世紀の地球平均気温の変化は日傘効果と温室効果で証明されるという研究がある。