定義に関しては混乱があるが、IPCCでは、大気中の二酸化炭素が倍増した時の平衡状態として「気温が何度上昇するか?」ということを示す量である。第4次報告書では、1.1~6.4℃とされている。このバラツキには、温暖化予測に用いられるシナリオの違いも含まれるが、気候モデルの違いにより、温度の上昇幅が異なることが寄与している。気候モデルごとにこの値が異なることは、気候システムの中に存在する様々なプロセスの理解が不十分な点にあり、引き続き研究が進められている。気候感度が問題とされるのは、大気中の二酸化炭素量を一定にするためにエネルギー使用量の削減を求める安定化戦略の詳細と密接な関係があるからである。しかし、気候感度が完全に一つに決まることはないと考えられ、気候感度の確率分布を示すような努力が行われている。