大気の流れの中で離れた2地点間の風向や風速の変化。ふつう大気は乱れて流れているので常時ウィンドシアは存在しているが、ウィンドシアが大きくなると航空機の運航などに重大な影響を及ぼす。積乱雲から吹き出すダウンバーストやガストフロント、寒冷前線、海風の先端部分などは、向かい風から追い風に、あるいは逆に追い風から向かい風に急変することが多い。また逆転層の上では強い風が吹いているのに、逆転層から下では風が弱いなど急激に変化することが多い。このようなウィンドシアによる揚力の大きな変化に対応するには、地面近くを飛ぶ離着陸時だと空間的な余裕があまりなく、事故も発生している。また上空のジェット気流付近では、雲のないところで晴天乱気流が発生して航空機の機体を激しく動揺させることがある。晴天乱気流はジェット気流にともなうウィンドシアで不規則な渦ができ、気流が大きく乱れることにより発生する。