都市域の気温が周囲の郊外に比べて高くなる現象。地上付近の気温の等温線を描いたときに、地図上の等高線が示す島のような形になることからヒートアイランド(熱の島)という。海風に都市域の高温の空気が運ばれてきて、郊外でも気温が上昇することもある。都市域の気温上昇の要因は次のような人為的なものである。緑地や樹木、水面などの減少で水分の蒸発による温度上昇の抑制が少なくなったこと、コンクリートなどの建物や地面の舗装などで日射を蓄熱して放出すること、建物の増加が都市の凹凸を増やして蓄熱効果を大きくしていること、エアコンや走る自動車などからの人工排熱が増大していることなどがある。ヒートアイランドで周辺地域と温度差があるために、都市に向かって風が吹き込み、都市域では強い上昇流が発生しやすく、都市型集中豪雨(ゲリラ豪雨)が起きやすくなっている。