冬の終わりから春の初めにかけての時期に、その年に初めて吹く暖かい南寄りの強風。日本海を発達中の低気圧が通過するときに吹く。関東甲信・北陸から九州までの地方を対象に気象庁から春一番が発表されている。春一番の目安は地域によって少しずつ異なるが、関東地方では、立春から春分までのあいだに、日本海の低気圧に向かって、風速毎秒8メートル以上かつ風向きが東南東から西南西の強い南寄りの風が吹き、気温が上昇することとなっている。江戸時代から海難事故をもたらす春先の突風を春一とか春一番などと西日本でよく使われていたが、東日本や東北・北海道南部でも用いられてきた。春一番では海難事故だけでなく強風やフェーン現象、融雪洪水などの被害が発生する。発達した低気圧から南西にのびる寒冷前線は雷雨や竜巻、突風などを伴う。春一番で暖かくなってもすぐに冬の季節風が吹き出す。このようなことを繰り返しながら、暖かい日が少しずつ増えて春になるという季節変化のきざしという面も春一番にはある。