電波が雨滴や雪片などの降水粒子に反射するとき、電波の周波数が風に流される降水粒子の動きで変化するドップラー効果を利用して、風を遠隔測定する機能を持ったレーダー。通常の気象レーダーと同様に雨や雪の水平分布や強度、高度も測定することができる。航空機の離着陸の安全を左右する風の急変、すなわちウィンドシアやダウンバーストの検出に有効な手段である。竜巻はスケールが小さいのでドップラーレーダーで直接観測することはできないが、積乱雲の中の渦の発生などは監視できる。ドップラーレーダーのデータなどに基づいて気象庁は竜巻注意情報を発表している。またドップラーレーダーの観測した風のデータを、気象庁が防災気象情報を作成する資料として活用しているメソ数値予報モデルに取り込むことにより集中豪雨等の予測精度の向上にも役立てている。