2012年10月29日にアメリカのニュージャージー州アトランティックシティー付近に上陸して大きな被害を及ぼしたハリケーン。襲来したのがハロウーィンの時期だったのでアメリカではフランケンストームとも呼ばれている。洪水や浸水、地下鉄やトンネルの水没、広範囲の停電などが発生して、死者は100人を超えた。災害復旧が遅れたこともあり、ニューヨーク市の防災への備えが不十分だったことが露呈した。サンディの上陸が満月の満潮時と重なったため4メートルの記録的な高潮となり被害を大きくした。サンディはグリーンランドの南に居座ったブロッキング高気圧に行く手をはばまれ、アメリカ大陸の深い気圧の谷へハリケーンを押し流す風が吹いていて、直角に近い方向転換をして上陸したため、ニューヨーク市などは海から暴風が吹きつけて高潮が高くなった。上陸時の最大風速は36メートル毎秒で、台風の基準だと「強い」に相当するのでそれほど顕著な強さではなかった。しかし、上陸時は気圧の谷に伴う寒気との併合で温帯低気圧になり寒暖の温度差をエネルギー源として風速17メートル毎秒以上の範囲が直径1500キロメートルと過去最大になったことも被害を広げた。