遠く離れた場所で、気圧、気温、降水量などが、互いに相関をもって変動する現象。大気中には、トラフ、リッジと呼ばれる大規模なスケールの波動が存在する。普通はこのような波動は、水平方向に移動していくが、移動する速度と帯状平均した東西風が釣り合うと停滞するようになる。このような波動を等圧面上で帯状風を引いて表現すると、高気圧性の渦と低気圧性の渦の連続になる。このような波動をロスビー波と呼んでいる。このようなロスビー波に、どこかでエネルギーが注入されると、このエネルギーを伝搬してゆき、停滞している渦の振幅を次々と大きくする。エネルギーが伝搬する速度を群速度と呼ぶ。これに対し、トラフやリッジの位相が伝搬する速度を位相速度と呼ぶ。このような波動の伝搬をテレコネクションと呼び、球面上では、大円コースを伝搬すると近似できる。有名なのは、エルニーニョに伴い、積雲活動が太平洋中央部に移動し、ここからエネルギーが大円に沿って中緯度地方に伝搬するパターンである(当初は、北部太平洋を中心に起きるので、PNAパターンと呼ばれた。その後、研究が進み、使われない場合もある)。