日本海にある水深1000 メートルを超える深海湾。日本の三大深海湾の一つである。能登半島が西端で東は黒部川が流入する魚津あたりが端っこである。駿河湾や相模湾の北の延長線に位置する。富山湾には背後の立山連邦を源流とする急流が流入する。黒部川は扇状地の先端が水深40 メートルあたりにまであって海底から淡水が湧出している。富山湾の蜃気楼や白エビ、ホタルイカなどの名物は流入する雪解けの冷たい淡水の影響を受けている。富山湾の中央部には富山深海長谷と呼ばれる海底谷が、湾内で支谷を集めて日本海の底の水深3300 メートルあたりまでつながり、海底ではやや蛇行した谷になっている。能登半島側は急な斜面で半島が風よけ、対馬暖流の流入の防御壁になっている。東側は平野が広がっているが、すぐに立山の急な山地となっている。日本海は淡水化した時期もあり、塩分の危機に面している。特に約2万年前の最終氷期に日本海は閉じた湾になり、外からの海水の流入が止まった。本州側からとロシア側から淡水が流れ込むか雨が池に降るように塩分が薄まったためと考えられる。日本海の底には固有水と呼ばれる冷たい水塊が成層構造をつくっていた。湾の侵食は激しく、石川県小松市にあった安宅の関は現在では海の中にある。