ブラックホールや銀河のような強い重力場をもった天体の周囲の空間が曲がる現象。焦点距離の長いレンズのように働き、遠方の天体からの光を曲げたり、天体の像を拡大したりゆがめたりする。おおぐま座にある二重クエーサー、0957+561ABは重力レンズの一例。また、約30億光年かなたの銀河団アベル(Abell)370、アベル2242-02方向の巨大な弓状の輝きや、アインシュタインの十字と呼ばれるクエーサー塊なども重力レンズによる現象と考えられている。この重力レンズ効果を利用すると、極めて遠方にある銀河を検出したり、ダークマターなどの質量を推定できる。