博士課程を修了した後に、研究者が一定期の期間修業的な雇用を受けるための研究助成金を、英語でpostdoctoral fellowshipと呼ぶ。ポスドクとは、これによって雇用されている人のこと。博士研究員(博士後研究員)と邦訳されることがある。日本でも、従来から日本学術振興会の特別研究員制度や任期付きの助教(助手)などのシステムがあった。近年になり、各種の競争的資金によって任期付きの研究員として雇用されるポスドクが増えた。第一期科学技術基本計画では、研究者のキャリアパスの整備のために、ポスドク1万人計画が実行された。しかし、常勤職の増加が見込まれない状況で博士号取得者のみが増加したために、研究者がポスドクとして滞留・高齢化し、社会問題となっている。35歳を越えるポスドクは、2013年1月の時点で37パーセントである。ポスドクを安上がりな使い捨て研究者として扱っているアカデミアにも問題がある。