民生用にも軍事用にも利用できる技術のこと。コンピュータやGPSのように当初軍事目的で開発されたものが民生用に広まることもあれば、CCDイメージセンサのように民生品が軍事に転用されることもある。鋼鉄が兵器に使用されることを考えれば、多くの技術は元々デュアルユースであるが、2011-12年に鳥インフルエンザ論文騒動が起こり、先端科学とデュアルユースの関係が注目された。日本学術会議は、12年にこれに関する報告書を出した。15年度には防衛省が「安全保障技術推進制度」を創設し、デュアルユースに利用可能な基礎研究の研究費を大学や独立行政法人に配分し始めた。日本学術会議では、この事態を受けて、16年度に再びデュアルユースについての議論を開始した。同会議は、1967年に「軍事目的のための科学研究を行わない表明」を出しているためである。