ピタゴラス数とは、3個の自然数の組(a,b,c)が、
a2=b2+c2を満たすとき、この組をピタゴラス数という。この名前の由来は、3辺の長さをa、b、cとするとき、上式を満たせば、ピタゴラスの定理(三平方の定理)によって、斜辺の長さがaの直角三角形になるからである。たとえば、(5,4,3)、(13,12,5)などがそうである。
ピタゴラス数は無限にある。P.フェルマーは最初、この概念を拡張して、ピタゴラス数の式の2乗のところを3乗にして、
a3=b3+c3が成り立つ数の組を求めようとした。ところが、この式を満たす自然数の組は存在しないことを発見した。
さらに、an=bn+cn (n≧3)を満たす自然数の組(a,b,c)は存在しないことも発見した。
古代ギリシャの数学者であるディオファンタスの『算術』の平方の和の問題の欄外に、「私はこの定理の驚くべき証明を見いだした。しかし、この証明を書くにはこの余白は小さすぎる。」という有名な文句とともに、この結果が記されていた。