メゾスコピックとは、原子よりは大きいがマクロな物質よりははるかに小さいような中間的スケールを意味する。近年、微細加工技術の進歩により、従来は直接観測できなかったメゾスコピックスケールでの量子力学的現象が、精密測定されるようになってきた。例えば、電子線リソグラフィー(electron lithography)という技術を用いることにより1μm(マイクロメートル μは10-6=100万分の1)以下のサイズの金属や半導体の試料を任意の形に加工することができるし、走査型トンネル顕微鏡を用いて個々の原子を操作することさえ可能になっている。このような極限技術によって、電子が波動のように干渉性を示すことや、電荷の最小単位を反映した現象の観測など、量子力学的世界に直接触れることができるようになった。