フランスとスイスにまたがるジュネーブ郊外のCERN(ヨーロッパ合同原子核研究機関。フランス語のConseil Europen pour la Recherche Nuclaireに由来)で、2008年9月10日に始動した世界最大の加速器。故障もあり、本格運転は10年から開始される。LHCではATLAS(A Toroidal LHC ApparatuS)とCMS(Compact Muon Solenoid)と呼ばれる巨大な測定器が素粒子反応を調べる。日本のグループも参加しているATLAS実験の測定器は、直径22m、長さ44mにもおよぶビルディングのような構造物である。実験の研究課題は、(1)ヒッグス粒子(Higgs boson 質量の起源となる粒子。→「標準理論」)の検出、(2)超対称性粒子(SUSY粒子 supersymmetry particle →「大統一理論」)の検出、(3)量子重力(quantum gravity 量子効果の働くサイズでの重力)や隠れた内部空間の効果、である。