原子または原子団が電子を放出したり受け取ったりして電荷を帯びたもの。正の電荷を帯びたものを陽イオン(cation)、負の電荷を帯びたものを陰イオン(anion)という。イオン結晶の塩化ナトリウム(NaCl)は固体でもイオンで存在し、水に溶解するとNa+とCl-のイオンに電離(electrolytic dissociation)する。塩化水素(HCl)などの分子も水に溶解するとH+とC-のイオンに電離する。このように水に溶けてイオンに分かれる物質を電解質(electrolyte)という。電解質の水溶液に電圧をかけると、イオンが移動して電気を運ぶため、電流が流れる。その一方、ショ糖のように水に溶解してもイオンに分かれず、電気を通さない物質を非電解質(nonelectrolyte)という。HClのように水に溶けてH+イオンを出すものは酸(acid)であって、H+の濃度([H+])が高いほど強い。pH=-log[H+]で定義されるpHで表現すると、純水は中性(neutral)であり、[H+]=10-7、つまりpH=7である。そして、pHが7より小さい水溶液は酸性(acid)であり、一方7より大きい場合はアルカリ性(alkaline)である。