ビザンチン帝国のキリスト教会を起源とする教会の総称。地中海東部地域から東欧、ロシアにかけて分布する。6世紀にローマ教会が西方、コンスタンチノープル教会が東方の教会を代表するようになり、両教会の関係が次第に悪化し、1054年に東西両教会の決定的な分離を迎えて、東方正教会が成立する。カトリック教会のような単一の組織体でも、ローマ教皇のような全体の卓越した首長もなく、コンスタンチノープル総主教に世界総主教の名誉称号を与えて、各地の総主教のもとに独立した教会の連合体をなしている。ギリシャ正教会とはギリシャを管轄地域とする独立教会で、ギリシャ国民の95%が属している。信仰の特徴としては、キリストや聖母、聖人のイコン(聖画像)が教会や信徒の私宅に安置されて特別に崇敬されている。