英国聖公会、英国教会。1534年、ヘンリー8世は離婚問題をめぐってローマ教皇と対立して、自ら英国国教会の最高首長となり、ローマとの関係を断ち切った。英国王は聖俗両界に君臨する統治者として位置づけられ、信仰の保護者として各主教を任命する。首位の聖職者はカンタベリー寺院の大主教で、国王の戴冠式を執行するとともに、国政への発言力をもつ。
教義は教皇至上権の否定や聖書を最終権威とするなどプロテスタント的であるが、教会政治や典礼の面ではカトリック的である。日本にも伝道され、1887年(明治20)に日本聖公会として組織された。イギリスは1994年に女性司祭が誕生したが、日本でも10年越しの議論を経て、女性司祭が承認された。