もともとは、Jポップなどからの連想で、1990年代に河出書房新社の「文藝」の編集者が作った言葉である。「日本文学」という古めかしい言葉に対して、舞城王太郎などのライトノベルや、藤沢周、綿矢りさなどの「文藝」系の作家など、両村上(春樹、龍)以降の世代(→「両村上以後」)の総称としようとした。しかし、その軽いイメージに反発して、自分は「Jブンガク」ではないと表明する作家も現れ、「文藝」のキャンペーンは途絶した。その後2009年3月から、ロバート・キャンベル東大教授が、NHK教育テレビで「Jブンガク」の講座をスタートさせ、この言葉が復活した。しかし、新しい世代の文学潮流を意味するのではなく、明治から昭和にかけての「日本近代文学」を英訳し、日本の外側からの視点によってその魅力を再発見することをテーマとしており、旧来の「Jブンガク」という言葉とは意味内容が異なっている。