大災害や大事故など、通常の対処が困難な問題に直面した際に、災害救助者やジャーナリストに生じる心理的ストレス反応のこと。災害救助者の代表的なものは、消防官、警察官、自衛官、医師、看護師である。遭遇した場面が数時間たっても目の前から消えない、また場面が現実のものとは思えない、強い動悸(どうき)がするなどの急性ストレス反応が生じることが知られている。うまくストレス反応に対処できない場合、PTSD(外傷後ストレス障害)に発展する危険性があり、惨状をありありと想起してしまうフラッシュバックや悪夢のほか、不眠症状、焦燥感、集中力低下を招く。惨事ストレスへの対処法には、対処した同僚との気持ちの分かち合い、つまりピアサポートが有効である。2012年には総務省消防庁は、東日本大震災被災地で活動する消防団員に精神科医や臨床心理士を派遣し専門家による支援を行う予定である。