文化庁は1995年度(平成7)から、国語政策立案の参考にするために、日本人の国語に関する意識や理解の現状を調査している。最新の2009年度(平成21)の調査結果は、10年9月に発表された。ここでは、漢字に関する意識、「常用漢字表」についての意識、「改定常用漢字表」で追加・削除する字種についての意識などを調査した。「漢字が読めないで困ることがあるか」では、「ある」と答えた人は41.0%、「ない」と答えた人は58.3%であった。「読めない字があったときに、どのような手段で調べるか」では、「本の形になっている辞書」が29.6%、「携帯電話の漢字変換」が25.7%、「電子辞書」「インターネット上の辞書」「ワープロ、パソコンの漢字変換」の合計が33.3%で、電子媒体の利用が多いことがわかった。ただし、「ワープロなどがあっても、学習はしっかりやるべき」は52.5%で、「ワープロなどがあるので、これからは漢字を書く必要が少なくなる」の7.9%を上回った。また、「『常用漢字表』というものがあることを知っていたか」では、「知っていた」が57.4%、「知らなかった」が40.6%であった。「『常用漢字表』の見直しが行われていることを知っていたか」では、「知っていた」が23.8%、「知らなかった」が59.3%であった。