アメリカの考古学者ビンフォード(Lewis R.Binford)らによって1960年代に新考古学運動が盛んになり、のちにプロセス考古学と呼ばれる学派が成立した。ヨーロッパでも、イギリスのレンフリュー(Colin Renfrew)やクラーク(David L.Clarke)らがプロセス考古学を実践している。プロセス考古学の特色は、いろいろなプロセスが「なぜ」生じたのかを客観的・科学的に説明することを重視し、そのための研究法を開発したことにある。その基礎的なものとして、動物考古学や植物考古学による遺跡情報の多様化、すべての考古学資料の数量化、空間情報の重視などがある。ここからコンピューター解析・計量考古学や分析考古学・環境考古学が発展し、空間考古学から考古学GISへの展開の道も開かれた。さらにはその結果を比較して解釈する方法として民族考古学・実験考古学などを重視している。