先史/先文献時代2。約1万2000年前~3000年前。縄紋時代は、土器による煮炊きの始まり、弓矢の始まり、貝塚形成に特徴づけられる。土器は利用可能な植物性食糧の増加、弓矢は中・小型動物の狩猟、貝塚形成は海産資源の本格的利用を示して、縦穴住居のような持ち運べない住居の普及をもたらした。これらは地球規模の温暖化(完新世、後氷期)という新しい環境に対する人類の積極的対応の一類型と評価できるものである。縄紋時代の社会集団は初期には旧石器時代と変わらないが、次第に大きな社会を形成した。部族社会(バンドの次の発展段階、年長者層が営みを主導する)の段階に至っていたことは確かであるが、社会が階層化してビッグマン・首長のような有力個人が出現していたとする考えもある。縄紋時代には社会生活の複雑化を反映して、生活や祭りのための遺構・遺物が大いに発達した。