沖縄県糸満市にある縄紋時代後期(約4000~3000年前)の遺跡。糸満市教育委員会と土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアムが調査して、石灰岩の岩陰から27体分の人骨と186点の貝製品を中心とする遺物を発見した。下層の人骨は1カ所にまとめる集骨という方法で埋葬され、上層の人骨は石囲いで埋葬したものである。貝製品の多くは装身具であり、今まで発見されたことのない線刻有孔製品も見つかった。縄紋文化は、日本列島にひろまったが、本例は沖縄諸島の縄紋文化の特色を考える重要な情報を提供している。なお、縄紋時代後期の成人男性人骨1体(約3000~4000年前)は、右前腕骨(尺骨)の長さから身長169センチと、縄紋人としては長身であることがわかった。