愛知県名古屋市北区平手町にある弥生時代の遺跡。名古屋市教育委員会が調査して、弥生時代中期後半(約2000年前)の舟形木棺を用いた方形周溝墓を見つけた。木棺は長さ2.8メートルの丸木舟を用いたものであり、身長1.5メートル以上の成人を葬り、船頭を南西に向けていた。本例は舟を棺として用いた最古例であり、弥生時代の死後観を知る重要な情報を提供している。付近には貝塚が多く、埋葬された人は海上活動にたずさわった有力者とみられる。その後、舟形木棺の、木材が鑑定され、ヒノキ製であることが分かった。ヒノキは建材に適しているが、丸木舟材には使用しないため、この舟形木棺は実用の舟を利用したのではなく、棺として製作したものと考えられる。