新潟県村上市の、旧岩船潟北の標高約40メートルの丘陵にある弥生時代後期の高地性環濠集落。日本海東北自動車道の建設に伴い、村上市教育委員会が墓域の発掘調査を行った。この調査で筒状と板状の青銅器が見つかり、槍の石突き(槍先の反対側に取り付ける金具)とされる筒形青銅器であることが分かった。弥生時代の青銅器文化は西日本に中心があり、本例が弥生時代最北の青銅器となる。本遺跡出土の土器の多くは縄目の紋様をもつ東北系のものであり、在来の人々が日本列島最北の高地性環濠集落を営んだと考えられるが、集落形態だけではなく祭りにも西日本の方式を取り入れていたことが判明した。本遺跡からは北海道系の土器も出土していて、この場が弥生時代の東西日本の交流あるいは対立の重要な接点であったことを示している。