岡山市北区新庄下の平野にのびる丘陵末端(標高約7メートル)にある全長約350メートルの古墳時代中期前半(西暦5世紀前半ごろ)の前方後円墳。当古墳は、岡山県では最大、全国で第4位の規模をもつが、築造当時は全国で一、二を争う規模のものであった。国史跡に指定されている。岡山大学考古学研究室が高精度GPS・トータルステーションを用いた精密な3次元デジタル測量図を作成して、発掘調査を行った。調査により後円部の東から幅約20メートルの周濠が見つかり、さらにその外に幅約8メートルの周堤が見つかった。周濠・周堤の有無は葬られた人の地位にかかわるとされ、造山古墳における有無が論争となっていた。今回の確認により、造山古墳に葬られた古代吉備王権の盟主が、畿内王権の大王に匹敵する地位をもっていたものと推定される。