大阪府堺市北区にある古墳時代中期前半(5世紀前半)の前方後円墳(全長約186メートル)。宮内庁・堺市が調査して見つかった埴輪を接合することにより、 囲形埴輪(かこいがたはにわ)であることがわかった。囲形埴輪は敷地を区画する塀を表現したものであり、開閉できる扉や水路が付属することが多い。本例は、小型の家形埴輪が塀の中に配置されていたと考えられ、より具体的な姿が明らかになった。またこの塀は、幅55センチ、奥行き90センチのL字形であり、最大級の大きさである。囲形埴輪は、神聖な儀式空間を表現したものと考えられている。