1999年、ウィーン初演のミュージカル。「エリザベート」と同じく、ミヒャエル・クンツェ作、シルヴェスター・リーヴァイ作曲、ハリー・クプファー演出により、アン・デア・ウィーン劇場で上演され、2001年までロングラン。ドイツ、ハンガリーでも上演された。日本では、東宝制作、小池修一郎演出で、02年から繰り返し上演され、人気ミュージカルの地位を確立した。天才音楽家の生涯を独自の視点から描き、特に若い天衣無縫なモーツァルトの複雑な内面や周囲の人物との関係が、魅力的なメロディーの中で表現されている。そのため、日本公演においては、山口祐一郎、市村正親、高橋由美子といった実力派が重要な役を固める一方で、モーツァルト役には若手のホープである井上芳雄と中川晃教をダブルキャストで起用し、それぞれの持ち味を発揮して成功を収めた。10~11年の公演では、井上と山崎育三郎がモーツァルトを演じた。