演出家。1955年3月17日生まれ。慶應義塾大学卒業後、宝塚歌劇団に演出助手として入団。86年、宝塚バウホール作品「ヴァレンチノ―愛の彷徨―」で演出家デビュー。89年に「ファウスト」をもとにした「天使の微笑・悪魔の涙」の作・演出で宝塚大劇場に初登場。91年、フィッツジェラルドの小説「華麗なるギャツビー」を独自の手法で舞台化し、菊田一夫演劇賞を受賞。92年「PUCK]では、シェイクスピアの「夏の夜の夢」を大胆に翻案して、その現代性と斬新な発想、巧みな演出で古典による創造の優れた例を示し、宝塚歌劇の新たな可能性を感じさせた。ウィーン・ミュージカル「エリザベート」に早くから着目し、93年のバウホール作品「ロスト・エンジェル」でその楽曲を使用した後、96年の宝塚大劇場雪組公演において日本初演を実現した。以後、宝塚歌劇団と東宝における「エリザベート」公演すべてにおいて演出を担当し、その都度、出演者に合わせた新たな試みによって洗練の度合いを高め、それぞれの特徴を進化させて日本における屈指の人気演目に育て上げた。98年の「エクスカリバー」では、宝塚歌劇の良質の要素を現代感覚で結晶させ、高い到達点を示した。その後も、「スカーレット・ピンパーネル」、韓流ドラマの舞台化「太王四神記」、映画「カサブランカ」の日本初の舞台化、フランスのジェラール・プレスギュルヴィックの「ロミオとジュリエット」などの大作において演出の力量を見せつけ、宝塚以外でも「モーツァルト!」「キャバレー」「MITSUKO 愛は国境を越えて」などの演出を手掛けている。14年紫綬褒章。