東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館に続いて、2007年1月21日、東京・六本木に開館した日本で5番目の国立美術館。うねるようなガラスの壁面が特徴的な建物は黒川紀章の設計。収蔵品は持たずに、企画展や公募展を中心に運営される。同じく六本木の、森美術館とサントリー美術館を結んで、六本木アート・トライアングルと呼ばれている。森美術館の現代アートを中心とした展覧会、サントリー美術館の日本の古典美術を中心とした展覧会、そして、日展など69団体の展覧会と特別展を開催する国立新美術館のそれぞれのジャンルのすみわけによって、六本木の美術館業界の相乗効果を狙った戦略が展開し始めた。新国立美術館では、特別展の「大回顧展モネ―印象派の巨匠、その遺産」など、終日多くの鑑賞者でにぎわっており、美術愛好家の流れは、上野から六本木に移ったかのようである。07年秋の目玉は、「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」だった。今後も日本におけるフェルメール人気は続きそうだ。