中国の現代アートはここ20年ほどで飛躍的な進歩を遂げた。文化大革命後の理想に燃えた時期から、1989年の天安門事件を経て、中国の芸術家たちは、理想から挫折を経験し、その後の経済成長に歩調を合わせるように、自由な空気を呼吸しながら、国家的なバックアップを受けて、さまざまなスタイルの視覚的表現を試み続けている。作家だけではなく、美術市場ということでも、中国は注目を浴びている。たとえば、ヴェネチア・ビエンナーレなどの国際的な美術展に中国人アーティストが多数参加し、また、世界中の画廊がアートビジネスの拠点として中国に進出し始めている。まさに中国現代アートは激動の歩みであった。2008年夏から09年春にかけて国立新美術館や大阪の国立国際美術館などで開催された「アヴァンギャルド・チャイナ」展は、そうした動きを検証する展覧会であった。