1962年東京生まれの現代美術家。93年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了。同大学における日本画科初の美術博士号を授与された。こうした経歴とアニメへの志向などを基に、2000年ころからスーパーフラット(超平面)の概念を提唱する。この概念は、水墨画ややまと絵などの伝統的な日本画と現代の日本のマンガやアニメーションが、同様に平板な構図で描かれていることから、これを日本美術の優位性と捉え、海外の美術界に戦略的に紹介していくものだった。同時に01年、アーティスト集団『カイカイ・キキ』を会社組織として主宰し、若手アーティストをプロデュースするようになる。翌02年からは、学園祭をイメージした参加型芸術複合イベント「GEISAI」プロジェクトをチアマン(チェアマン)として定期的に開催。多くの若手アーティストを世に送り出した(15年からは「GEISAI∞infinity」としてクリエイター招聘プロジェクトに移行)。初期の代表作「My Lonesome CowBoy」や「HIROPON」などアニメのキャラクターを踏襲し、現代日本のサブカルチャーの要素を盛り込んだ等身大フィギュアや、多くの派生作品を生んだ「Mr.DOB」(DOB君)などを制作することで世界の注目を浴びる。海外の有名ギャラリーをはじめ、ベルサイユ宮殿など数々の個展を通じ、その作品は世界的に高い評価を受けている。06年、ニューヨークでの「リトルボーイ展」での成果により芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。16年には「村上隆の五百羅漢図展」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。海外での受賞も多数ある。