1965年新潟市生まれの現代芸術家。91年に東京藝術大学大学院(油画技法材料第一研究室)修了。同年だまし絵的(→「トロンプルイユ」)な「あぜ道」、96年には戦争をテーマにした「紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)(戦争画RETURNS)」などを描き、その名を知られる。さらに美少女や、エログロ、ロリコンなどをテーマにした様々な作品を手掛け、国内外の注目を集めた。日本の現代社会に潜む様々な問題を挑発的な作品にすることで、今を生きることへの問いを鑑賞者に投げかけようとしていると評される。一方でその作風が物議を醸すことも多く、2012年11月から翌13年3月まで、東京・六本木の森美術館で開催された「会田誠展 天才でごめんなさい」に出品した一部の作品に対して、性暴力に反対する市民団体から「児童ポルノ」との批判を受け、公共空間である美術館での展示を問題視された。また、15年に東京都現代美術館で展示した「もっと教師を増やせ」などの言葉が毛筆で書かれた作品「檄」に対して、撤去要請がなされた。表現の多様性を求める現代芸術家として、常に最前線をゆくアーティストの一人とされる。