2006年表参道に登場した、安藤忠雄(1941~)の設計による大型の複合商業施設。同潤会アパートの跡地に建設されたことから、250mにわたって統一されたファサード(外観)が続く。安藤にとっても東京における最大級の建築である。都市の記憶の継承を意識すべく、並木に合わせて高さを抑え、壁面もデザインによって分節し、建物の緑化も意識している。同潤会を再現した部分もある。また傾斜したスロープが吹き抜けの周りに展開し、表参道の坂道を延長したかのようだ。ストリートの感覚を内部に持ち込む一方で、外部には水のせせらぎを演出した。これは森ビルが推進したプロジェクトであり、六本木ヒルズと同様、居住や文化の機能をもつ都心の再開発として注目される。