2008年10月に東京の建築会館で開催された展覧会。「アーキニアリング・デザイン」というタイトルは、建築デザイン(アーキテクチャー)と工学技術(エンジニアリング)を合成した造語である。両者の融合が豊かな空間を生みだしてきたことを紹介する展覧会は、日本建築学会会長の斎藤公男の肝入りで実現した。会場では、「耐震と高さへの挑戦」や「軽量構造」など、8つのテーマをもとに合理的な構造の仕組みを解説しつつ、古代ローマのパンテオン神殿、アントニオ・ガウディのサグラダ・ファミリア教会、オーストラリアのシドニーのオペラハウス、ニューヨークにあった世界貿易センタービルなど、数多くの模型を並べた。耐震偽装の問題以降、構造設計には悪いイメージがつきまとっていたが、同展は、構造デザインが明るい希望と未来につながるというメッセージを伝えた。09年に日本各地を巡回する。