プラダ主催のアート企画のために、レム・コールハース率いるOMA(Office for Metropolitan Architecture)が設計した仮設のパビリオン。2009年4月から9月まで、韓国ソウルの慶熙宮(キョンヒグン)に隣接する土地で公開された。鉄骨で組まれ、船舶などで用いられる白色の皮膜で覆われた高さ20mの建築が、「トランスフォーマー」という名称通り、実際に形状が変化することで注目を集めた。かたちはそれぞれの面が、六角形・長方形・十字形・円形になった四面体である。それをクレーンで釣り上げ、回転させることで、床となる面を順繰りに変えていく。重力の方向がシフトする建築である。イベントも、プラダのコレクション展が開かれた六角形から始まり、映画館となる長方形、現代アートのインスタレーションを行う十字形、そして若手アーティストの参加するワークショップが円形の上で催され、最終的に解体された。過去にも可動する建築は幾度も構想されたが、これほど大規模な実現例は他に類を見ない。