2009年2月9日、中国北京市内に建設中のテレビ文化センター(TVCC)全焼という事故が、インターネットの動画サイトなどにより、全世界へと瞬時に伝わった。TVCCは隣接するユニークな造形の中国中央電視台新社屋(CCTV)とともに、レム・コールハースの事務所OMA(Office for Metropolitan Architecture)がコンペに勝利し、設計したもの。当初、9.11テロと同様、新しいランドマークに対するテロではないかとささやかれたが、旧暦の正月に当たる「春節」を祝い、電視台職員らが許可なく打ち上げた花火が原因と見られる。大規模火災に拡大した要因としては、30階建て159mの建物内部には巨大な吹き抜けが設けられており、煙突効果が生じたことなどが指摘された。火災の後、TVCCは解体されず、放置されている(09年9月現在)。その結果、新築ながらテナントが入らず、空っぽのCCTVと、廃虚のTVCCが対をなして並び、忘れがたい風景を出現させた。