1971年生まれの建築家。94年東京大学工学部建築学科卒業。2000年藤本壮介建築設計事務所設立。同年、青森県立美術館のコンペで2位を獲得して以降、大胆な形式の建築のデザインによって海外からも注目されるようになった。北海道伊達市の、サイコロをランダムに散りばめたかのような情緒障害児短期治療施設(2006年)は、JIA日本建築大賞(2007年度)を受賞している。これまで彼の地元である北海道を中心に地方の作品が多かったが、10年は東京に2つのプロジェクトが完成したほか、ワタリウム美術館で個展「山のような建築 雲のような建築 森のような建築」も開催され、藤本イヤーとなった。Tokyo Apartment(2010年)は、6個の切り妻屋根の家型を角度をずらしながら積み重ねた集合住宅である。また「武蔵野美術大学 美術館・図書館」(10年)は、渦巻き状に広がる本棚によって迷宮のような空間をつくる一方、サイン計画のデザインによって、本の検索しやすさにも配慮した建築を実現させた。