2010年7月9日から10月31日にかけて、瀬戸内海沿岸及び諸島で開催された芸術祭。今後も3年ごとの開催を予定している。総合プロデューサーに財団法人直島福武美術館財団理事長の福武總一郎、総合ディレクターにアートディレクターの北川フラムを迎え、世界各地からアーティストが参加した。越後妻有アートトリエンナーレと同様、それぞれの島がもつ固有の文化を生かし、民家や空地などを用い、土地に根ざしたユニークな現代アートの作品が特徴である。10年は、新しい建築作品として、安藤忠雄(1941~)が設計した直島の李禹煥(リー・ウーファン)美術館、妹島和世(1956~)による犬島(いぬじま)の家プロジェクト、西沢立衛(1966~)が手がけた豊島美術館、安部良(1966~)の島キッチンも登場した。いずれも異なる方法で建築とアートの融合を試みている。とくに豊島(てしま)美術館は、内藤礼(1961~)による水のアートと西沢による流動的な空間が密接な関係をもち、分かちがたい共同制作といえる場を生み出した。