2011年9月25日から10月1日まで、UIA (The International Union of Architects 国際建築家連合)の大会が有楽町の東京国際フォーラムを拠点に開催された。同大会は、1948年にスイスのローザンヌで始まって以来、ほぼ3年に一度、世界の各都市で開かれ、建築界のオリンピックとも呼ばれている。その受け入れは、ユネスコ(UNESCO 国連教育科学文化機関)の外郭団体であるUIAの日本支部と位置づけられる、87年に結成された建築の設計管理を行う職能団体JIA(日本建築家協会)が担当し、24回目となる今回初めて、悲願の日本開催が実現した。東日本大震災の影響により、一時は開催が危ぶまれていたが、期間中に建築家、技術者、研究者、学生など約1万人の参加者が、大会テーマ「DESIGN 2050」にもとづく、講演、発表、展覧会、ツアー企画などのプログラムに参加した。オープニングでは、アメリカの世界的なアーティスト、クリスト(1935~)が自作について語り、基調講演ではブータン王国首相のジグメ・ティンレーや日本を代表する建築家の槇文彦(まきふみひこ 1928~)らも登壇した。また被災地でプライバシーを保つため避難所に紙の管と布で仕切りを作る取り組みなどが評価され、坂茂(ばんしげる 1957~)がオーギュスト・ペレ賞を受賞している。そして持続可能な未来をめざすために、「災害を乗り越えて」をうたう東京宣言を採択し、UIA2011東京大会は終了した。会場外の同時開催プログラムとしては、東京建築ガールズ・コレクション、24時間建築系ラジオ収録、建築映像祭など多彩なイベントで大会を盛り上げた。